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部下や若手への指導方法を「最高のコーチは、教えない」を参考に解説

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こんな悩みを解決!

「初めて部下を持つことになったけど、どうやって指導するの?」
「若手が話を聞かなくて困ってるんだよね!」
「子どもに伝えたいことがあるけど、思うように伝わらない」
「仕事のやり方を何回も教えたけど、全く理解してもらえない!」

この記事では、部下や若手、さらには子育てを行う人が
どのようにして教育、育成を行うべきなのか?
「最高のコーチは教えない」を参考にお伝えします。

結論は、相手を観察し、質問をして、
相手の立場に立つ、コーチングの技術を身につけることです!
「指導者」=「教える人」という常識を忘れ、
「指導者」は相手の自己成長をサポートする人。
という認識を持ちましょう!

なぜこの結論に達するのかについて、「最高のコーチは、教えない」では、
著者の「吉井理人」氏の選手時代の実体験、コーチとしての経験など、
にも基づき解説されています。
さらには、「吉井理人」氏が大学院で学んだ「コーチング理論」を紹介して、
プロ野球だけで無く、ビジネスシーンにも共通することが解説されています。

この記事では、「最高のコーチは、教えない」を読んで理解した内容を、
私自身の考えも交えながら紹介します。

「最高のコーチは、教えない」のまとめ

「最高のコーチは、教えない」は部下、若手や子どもの、
教育や育成に悩む人たちに、
「個人の能力を引き出し、最高の成果を上げる方法」
を教えてくれる本です。

そのやり方として、「コーチング」という技術が存在します。

これは、いわゆる「指導」「教育」でやりがちな、
一方的に教えたり、自分のミニチュア的な複製を育てるのでは無く、
自分の頭で考えられるように、質問とコミュニケーションを取る技術です。

大事なことなので頭にたたき込んでおいて欲しいことは、
「指導者」とは「教える人」ではなくて、
「指導者」とは「考えさせる人」だと言うことです。

「なぜ教えていけないのか」を簡単にまとめると、
自分と相手は知識、経験、考え方、肉体的な特徴まで、
全てが違うからです。

どれだけ自分にフィットするシューズであっても、
相手がそのシューズで速く走れるかは分かりませんよね?

まずは相手を理解することから始めないといけません。
「7つの習慣」でいうところの、
「パラダイムと原則」や
「まず理解に徹し、そして理解される」などに通じますね。

【7つの習慣】7つの習慣を学ぶための基礎「パラダイムと原則」を解説7つの習慣を学ぶために必要となる基礎「パラダイムと原則」を解説します...
【7つの習慣】第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」を解説7つの習慣の1つである、第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」をの達成に向けた方法と実践例を7つの習慣を参考に解説...

また、相手に替わって考えた結果を一方的に伝えるのではなく、
考え方、思考のプロセスを伝えて、
「自分で考えられる人」を育てることが大切です。

つまり指導とは「徹底的に考えさせること」なのです。
本書「最高のコーチは、教えない」では、
著者の「吉井理人」氏の専門である野球を通じたエピソードに加え、
広くビジネスでも応用できる視点から、実際にどうしたらよいのか?
について、詳しく書かれています。

本書の流れとしては、コーチが教えてはいけない理由をまず説明します。
そして、ではコーチや指導者は何をするのか?について解説します。
その答えが「コーチング」であり、「吉井理人」氏が修士課程と、
プロ野球での実体験を通じて、現在も学び続けていることです。

その「コーチング」の理論、実践、大切なルールという順で紹介していきます。

著者の「吉井理人」氏について

2023年11月現在の情報です

プロ野球球団「千葉ロッテマリーンズ」の監督を務める。
1984年にプロ野球球団「近鉄バファローズ」に入団した。
1995年にヤクルトスワローズに移籍し、チームの日本一に貢献。
1997年にはメジャーリーグへと移籍。
現役引退後、2008-2012年は日本ハムファイターズの投手コーチに就き、
2度のリーグ優勝をアシストした。
複数の球団で投手コーチを務めた後に、
「千葉ロッテマリーンズ」の監督となる。
また、2016年に筑波大学大学院で修士課程を修了し、
「コーチング」に関連した専門で学位を得た。

コーチが教えてはいけない理由

ここでは、なぜコーチや指導者と呼ばれる立場の人が、
教えてはいけないのか?について解説します。

1.自分と相手は違うから

本書を読んでいて、これが最も大きく、根本的な理由だと感じました。
それぞれの立場、年齢、経験、肉体など、が異なれば、
世界がどのように見えるのか、パラダイムは大きく異なります。
そのような状況で、何かを教えようとしても、受け入れてくれるはずがないです。
「相手の考え方を教えて貰った後でないと、受け入れられない」
このことは覚えておきましょう。

ビジネスに例えてみましょう。
「顧客データーを分析して、営業をより効率的に行いたい」
このように考えている営業マンに対して、
「営業は足で稼ぐんだ!とにかく訪問しろ」
と言っても、やる気は出ないでしょう。

渋々と指示に従ったとしても、やる気が無いので成果には繋がりません。
「指示通りやったのに成果が出ない」と、ますます話を聞かなくなります。
さらに、「自分の考えを頭ごなしに否定された」と思い、信頼関係も失います。

少なくとも、「分析」のメリットデメリットを話し合った上で、
それでも「訪問」に優位性があるのであれば、
その根拠を伝えて、納得させなくては人は動きません。

目的は営業成績を上げることであって、意味も無く訪問することでは無いはずです。

2.頭ごなしになりがちだから

指導を任されている立場ということは、部下や若手たちがこれから進む道を、
すでに歩いた経験があるということです。
自分と相手が違うように、同じ道を進むにしても、
やり方や状況は日々、変わっていきます。

それを無視して、自分はすでに経験があるのだから、
「自分の成功が唯一の正解」と考えてしまいます。
結果として、昔のやり方や、考え方を一方的に伝えがちです。
まず、今の状況や本人の思うところを聞き出さないと、
適切なコーチングは行えません。
これは往々にして「コミュニケーションの問題」と言うこともできます。

こういった基本的な問題が起こらないように、多くのスポーツ業界では、
指導者になるには「ライセンス」の取得が義務づけられています。
しかし、著者の「吉井理人」氏の野球界にはライセンス制度が存在しません。
こういった背景もあり、「吉井理人」氏が「コーチング」を学ぶ必要性を感じ、
大学院に入るに至ったのだと考えられますね。

補足情報ですが、日本スポーツ協会のHPに、
様々な競技の指導者資格がまとまっています。

繰り返しになりますが、「指導者」=「立場が上」と勘違いすること、
「コミュニケーションの問題」を起こすことがあるため、
コーチは教えてはいけないのです。

3.主役はコーチではないから

繰り返しますが、一般にコーチの方が、
年齢、経験、社会的地位が上となっています。

その上下関係で、コーチが何かを教えると、
「言われた」「命令された」と感じることが多いです。

人は自分で主体的に選んだ時、その選択と行動に責任を持って、
全力で取り組もうと努力します。

そのため、コーチは相手の考え方や、気持ち、
やりたいことなどを、聞き出してあげるのが仕事です。
本人が「やりたいこと」に気づいて無いこともあるので、
「気づかされてあげる」サポートをします。

そして、「やりたいこと」が自分の口で説明できたら、
「自信をもってやってみな!」
「良いね、やる前に何か不安なことはある?」
など、応援したり、質問に答えることが大切です。

多くの場合、「やりたいこと」は本人の中にすでにありますが、
経験不足や説明力の不足で、うまく言葉にできないのです。
そのサポートこそが、コーチの大切な役割になります。

4.「余計な一言」を言いがちだから

例えば、ビジネスの現場で部下を褒めてみます。
「今日のプレゼン、明るくて良かったよ!」

気軽に褒めただけのつもりだけど、上下関係があることで、
部下や若手は悩み始めます。

「資料の色使いが良かったのかな?」
「表情が明るくて良かったのかな?」
「声のトーンを褒められたのかな?」
「これまでは明るくなかったってこと?」

何が良いのか具体的に伝えないのであれば、何も言わない方が良いです。
混乱を招くより、暖かく見守りましょう。

また、コーチは中間管理職であるために、トップ層からのメッセージを、
的確に現場に伝えることも仕事です。
自分は経験もあり、過去の経緯も知っているので、
「そのまま部下に伝えても理解出来る」と勘違いします。
しかし繰り返しですが、立場や経験が全く違います。

なるべく噛み砕いて話した上で、「分からないところは質問して」
ときちんと伝えましょう。

コーチともなると、経験豊富なために自身の感覚で伝えがちですが、
定性的なことは人によって大きく異なります。

「ちょっと仕事のペースを落とそう」
ではなくて、「1時間集中したら10分休むようにしよう」
と具体的、定量的に指示を与えるようにしましょう。

コーチングの基本理論

まず大前提として、組織の主体はプレイヤーであると、
「最高のコーチは、教えない」には書いてあります。
そして、個人が成長することで、その集合体の組織が強くなるのです。

日本の野球界をメインの題材にしているけれど、
日本全体として、自己犠牲によってチームを優先させるマインドが、
深く染みついていると指摘しています。
ビジネスでも同じことが言えますが、あくまでも、
個人を成長させることがコーチの役割であり、
強い組織作りに繋がっていきます。

コーチの2つの役割

コーチの主な役割は2つあります。
それは「指導行動」と「育成行動」に分類されます。

「指導行動」

「指導行動」は専門性と深く関与する、技術、知識、ということを伸ばします。
これにより、具体的にプレイヤーのパフォーマンスを向上させます。

ビジネスでいえば、レベル1は超基礎的なスキルです。
名刺の渡し方、挨拶の仕方、電話対応の仕方などです。
その上のレベル2-3は、営業なのか、会計なのかによりますし、
人それぞれ、次に習得すべき技術や知識は大きく変化します。

また、個人の素直さ、プライドの高さなど、
性格までも考慮した上で技術を修正させることが大切です。
そのため「指導行動」を普遍化することは難しいです。

「育成行動」

より普遍化しやすいのが「育成行動」です。
「育成行動」では、技術ではなくて、
心理的、社会的な面において個人の成長を促します。

特に、心理面で最も大切な「モチベーション」を上げることが仕事です。

そのためのポイントは、小さな課題と小さな成功を積み上げ続けることです。

コーチの役割は、課題の設定が自分でもできるように促すことです。
重要なことは、効果的かつ大きすぎない課題を、
自己成長のために自分で設定出来るようになることです。

課題設定のコツ

うまく課題設定をさせるには、今の能力を見極めることから始めます。
そして、今の能力を組み合わせればクリアできるレベルに設定するのです。
気をつけるべきことは、自分で決定できる範囲に課題を置くことです。
課題クリアに他人、天気、その他条件は関与してはいけません。

ビジネスであれば、
「10件の契約を取る」
これはNGです。契約するかどうかは自分で無くて相手が決めることだからです。
「10件の営業回りをする」
これはOKです。訪問、電話、メールなど、あらゆる手段を駆使して、
自分で目標達成に向けて努力するかを選べるからです。

「課題の見つけ方」を指導する

野球選手であれビジネスマンであれ、プレイヤーは大きな夢を見ます。
これはモチベーションの根源なので、まず大切にしてあげましょう。
その上で、夢までの道のりを分解して、第1ステップを示すのです。
なぜそのステップが必要であるのかも、合わせて伝えましょう。
そして、いつかは自分でステップを考えられる様に、
考え方やメンタルも合わせて育てることが大切です。

課題設定の注意点

夢に近づくため、その夢を既に達成した人や、
夢に近い人を目標とすることは良いことです。
しかし、その人の考え方、特技、癖などが自分と大きく異なる場合、
目標設定としては良くないです。

副業で月に10万円稼ぐために、憧れのYouTuberのマネをするのは良いけれど、
その人のジャンルが音楽で、自分は音楽が苦手であれば、
目標とする人物としてはNGです。
手段はマネするけど、何をするかは自分用にオーダーメイドする必要があります。

身近な課題から取り組む

これまでにあまり考えずに生きていた人は、
そもそも課題を解決した経験も少ないです。

・寝る前にストレッチをする。
・起きたらすぐに顔を洗って歯を磨く。
・食べた食器はすぐに洗う。

こういう小さな課題から始めて、
課題を見つける、取り組む、成功する、という
成功体験を数多く有することがとても大切です。

「振り返り」で課題設定の検証

自分の行動を自分で振り返り、
「何故そうしたのか?」
「どうするべきだったのか?」
「次同じことがあったらどう対処するか?」
これらを考えさせるために、
コーチから質問を繰り返すことが大切です。

目的は、いつか自問自答ができるように導くことです。

ここで気をつけるべき点は、反省ではなく、振り返りに徹することです。
つまり、「良かった点」「伸びしろ」に注目させます。
そしてこれらを、自分の頭で考え、
自分の言葉で説明できるように導きます。

この「振り返り」の結果として、「自己効力感」という、
「自分ならやれる」という、心理状態にさせることが大切です。

「プロ意識」を持たせる

部下や若手を成長させるためには、「プロ意識」を持たせましょう。
「プロ意識」とは自分のパフォーマンスを上げるための
「思考」「行動」を全ての「思考」「行動」に優先させる意識です。
7つの習慣でいうと、第3の習慣「最優先事項を優先する」の徹底です。

今の自分の立場を客観視して、
「何をするべきか?」「どうあるべきか?」
を考えて、自分のなりたい自分になる努力をさせます。
部下や若手は、なかなか口にしない悩みを持っていることも多いです。
とにかく話を聞き、関係性を築くことで、
悩みを口に出来るような、カウンセリングのスキルも必要です。

【7つの習慣】第3の習慣「最優先事項を優先する」を解説7つの習慣の1つである、第3の習慣「最優先事項を優先する」の達成に向けた方法と実践例を7つの習慣を参考に解説...

コーチングの4つのステージ

ここで、少し振り返ります。
コーチの役割は大きく分けて2つあります。
「指導行動」、技術スキルや知識を育てます。
「育成行動」、モチベーションを高め課題設定をできるようにする。

この2つで、専門性と人間性を高めていきます。
ただし、常に両方を行うのかというと、そうではありません。
「指導行動」と「育成行動」を組み合わせ、
さらにはバランスを変えながら指導にあたります。
また、部下や若手のレベルに合わせて成長を促す工夫も必要です。

「最高のコーチは、教えない」では、そのモデルの1つとして、
「スポーツコーチング型PMモデル」を紹介しています。

「PM理論」という理論をスポーツコーチングに応用したモデルですが、
ここでは難しいことは省略します。

この図にあるように、「指導行動」と「育成行動」の比重を、
少しずつ変えながら、相手のレベルに合わせて指導していきます。
初期段階は、技術スキルや専門性から高めていきます。
そして少しずつ、人間性やモチベーションの育成に切り替えます。
そして、最終的にはパートナーの様な存在になることが理想です。

相手の成長レベルにあわせて、大きく4つのステージに分けてコーチングします。
ここから詳しく説明しますが、このステージは、
「それぞれが明確に分かれているわけではない」
「ステージ間を行ったり来たりすることが多い」
ということを頭に入れておきましょう。

第1ステージ

「指導型コーチングスタイル」
このステージはいわゆる、初心者のフェイズです。
目指す分野、領域での最低限の技術スキルと知識を身につけさせます。
いわゆる業界のイロハを教えている段階です。
ここは可能な限り早く抜け出したいですが、
きちんと学ばないと後々の成長でつまずくことになります。
ビジネスでいうと、挨拶、名刺交換、電話メール対応、
様々な書類作成、社内部署との連携などを理解した段階です。
この先、社外にでて、お客さんを相手に仕事で成果をあげていきます。

第2ステージ

「指導・育成型コーチングスタイル」
このステージは初級をクリアした中級者のフェイズです。
求められる技術スキル、専門性もレベルが上がっています。
ただ暗記するのでなくて、考えながら学ばないと
記憶に定着せず、習得もしにくくなってきます。
このステージからは指導だけでなくて、
壁にぶつかったときに話を聞き、
モチベーションを保つ役割も必要です。

ビジネスでいうと、大抵のことは1人でやれるけれど、
まだ大きな成果は無く、次のステップへの距離を感じて、
だんだんとやる気を失うフェイズです。
1人で解決できないことも増えるので、
コーチの役割が重要になってきます。

第3ステージ

「育成型コーチングスタイル」
このステージは中上級者のフェイズです。
技術スキルと知識は完成の域に達していて、
だんだんとプライドも高くなっています。
しかし、精神的には未熟な点もあるため、
迷いが多く生じるタイミングでもあります。
ここでは、技術は教えずに、仕事の取り組み方、
社会における振る舞いなど、
人間性向上を指導していくフェイズになります。
ビジネスだと、係長やチームリーダーの役を担うフェイズです。

第4ステージ

「パートナーシップ型コーチングスタイル」
このステージはいよいよ上級者のフェイズです。
基本的には専門性も人間性も十分に成熟しているので、
特段何かを教える必要は無くなっています。
ただ見て、話を聞いてあげるだけで十分です。
ただし、質問の内容はとてもレベルが高いので、
コーチも常に学び続け、相手を満足させる
レベルの高い話が出来るようにならないといけない。

このステージの人は、第1-3ステージの人たちから見ると、
尊敬の的であり、色々教えて貰いたい存在です。
第4ステージまで人材を育てると、チーム全体にとって、
良い波及効果をもたらしてくれます。
コーチとしては、このレベルの人材を育てられるか?に、
その手腕が問われていると言えます。

コーチングの実践

ここからはコーチングの実践について解説していきます。
コーチングの実践において、3つの基礎を大切にする必要があります。
それは「観察」「質問」「代行」です。

コーチングの3つの基礎

1.「観察」相手のことを知って、
2.「質問」相手に話をさせて、
3.「代行」相手になったつもりで考える。
この3つの基礎をおさえて、コーチングを実践していきます。

1.「観察」

相手の特徴を徹底的にリサーチしましょう。
「最高のコーチは、教えない」では野球選手ということもあり、
かなり周到に相手のことを調べ、性格、癖、食事、ストレス発散方法まで、
事細かに調べることが推奨されていました。
しかし、一般的な会社ではそこまでは出来ないことも多いです。

ただ、大切なことは1つ、本人に直接探りをいれないことです。
直接聞くと身構えてしまうので、周りに聞いてみたり、
本人に関する客観的なデータがあれば、それを調べるようにしましょう。
営業成績、過去の報告書などから個性を探ることができそうですね。

2.「質問」

「質問」を上手く使って、相手に話をさせましょう。
目的は「質問」に回答させることで、自分のことを、
客観視して、言語化して説明出来るようにすることです。

質問リスト

ビジネスにおけるワンシーン、
顧客の要望ヒアリング、もしくは製品のプレゼンで考えてみましょう。
このような流れで質問していきます。

「今日のヒアリング(プレゼン)、自己採点で何点ぐらい?」
「今日のヒアリング(プレゼン)、良かった点はどこ?」
「今日のヒアリング(プレゼン)、失敗したと思うのはどこ?」
「今振り返って、これを用意しておけば良かったと思うことはある?」
「あらためて、次のヒアリング(プレゼン)に向けて何をしようと思う?」

ここでの目的は、相手が何を考えているのかを探り出すことです。
自分は極力しゃべらないようにしましょう。

言語化と客観視

また、なるべく適切な言葉を使って、言語化させることが大切です。
本人がしっくりくる言葉で、自分の状態を表現できないと、
次のステップに進むコーチングが行えません。

音声や映像による振り返り

プレゼンや電話対応など、許される場合は録音、録画をして、
後で振り返りをさせることも有効です。
自分を最も簡単に客観視する方法になります。
「あれ、自分こんな顔してるの?」
「え?下向きながらしゃべってたの?」
こんなことにも気づける様になるはずです。

「質問」の狙い

実は「質問」には隠れた目的が2つあります。
それは、「自己客観視」と「信頼関係の構築」です。
コーチングとしては、相手を知ることが最大の目的です。
しかし、それと同時に、相手の自分を客観的に見つめる力、
「自己客観視」の能力を高めます。
さらに、話を聞いてあげることで、「信頼関係の構築」
にも役立ちます。
そのためには、相手の話した内容をまず肯定してあげましょう。
話を聞き続けることで、「この人の話だったら聞いてみようかな」
と思わせることが大切です。

アドバイスのタイミング

うまく「信頼関係の構築」ができてきたら、アドバイスも可能になります。
ただ、その場合でも、相手に選択権を与えることが大切です。
主体性を尊重することで、認められたように感じるからです。
また、選んだことにも責任を持つようになるでしょう。

大事なことなので繰り返しますが、「信頼関係の構築」ができてから
アドバイスすることが肝要です。

一般にコーチとプレイヤー、上司と部下、という明確な上下関係の立場だと、
「建前上、話だけ聞いてすましちゃおう」となりがちです。
結果的に誰の話に従うかというと、身近な先輩や少し出来る同僚です。

この壁を乗り越えるためにも、「信頼関係の構築」が何より大切なのです。

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3.「代行」により「相手の視点」を手に入れる

最後の「代行」とは、「観察」「質問」から導いたイメージで、
相手だったらどうするか?を考えるプロセスです。

大切なポイントなので、表現を変えてもう一度書きますが、
「同じ状況で自分だったらどうするか?」ではありません!
これも繰り返しですが、自分と相手は別物だからです。

代行を成功につなげる

「こうやってやると良いと思うよ」、と伝えて、
部下のほとんどは「分かりました!」と言って帰っていきます。

そして、翌日持ってきた資料は、指示した内容と全く違うモノ。
よくありますよね?

「分かった」と「できる」は別物です。
「分かった」と言われたら、
「じゃあ分かったことを、子どもにも分かるように説明してみて」
これで、曖昧な箇所があぶり出されます。

「ほんとに分かったの?超余裕でできる?ほんとに?」
「いや、実は、ここがちょっと分からないかも。」
こういうやり方もあります。

人は「分かりません」と言うことに抵抗があります。
ひと工夫して、隠れた「分かりません」を引き出しましょう。

振り返りを行う

著者「吉井理人」氏は試合があった後に、振り返りを行ったそうです。
ビジネスであれば、週一回程度、ミーティングを行えば良さそうです。

まずは、質問をしていきましょう。
「今週の仕事、自己採点で何点ぐらい?」
「今週の仕事、良かった点はどこ?」
「今週の仕事は、失敗したと思うのはどこ?」
「来週は何を工夫して仕事しようと思う?」

このように1つずつ回答を聞いていきましょう。
基本的に、口は挟まずに、聞くことに徹しましょう。
そして、「良かった点だけ褒める」ということを繰り返しましょう。

このプロセスの中で、出来なかったことを自分で説明できるようにさせて、
「修正すべき点」を自分で考えられるようにします。

褒めることに徹すると、褒められなかったことは少しパフォーマンスが低い、
という認識を持つようになり、そこを伸ばせば良いんだ!
という思考回路ができあがります。

「次は何を修正するのか?」ということを自分の口で言えることが重要です。
初めのうちは、的を得た回答は返ってこなくても、
自分の頭で考えさせ、自分の言葉で説明させることに意味があります。

「こういう改善策は聞いたことある?」
「ポモドーロテクニックって知ってる?」
質問形式で話をして、様々な視点から気づかせていきます。

そのうち、自分で考えて、自分の言葉で言えるようになります。
少し時間がかかりますが、辛抱強く待ちましょう。

成長のための課題設定

仕事やスポーツ、日常生活の中で、あの人変わったな?
あの人成長したな?と思ったことはありませんか。

周りにそう感じさせる人は、確実に成長していて、
成長している人は絶対に「課題」を意識して行動しています。

「課題無くして成長無し」
この言葉を覚えておいて下さい。
そして悲しいことに、人間はとても忘れやすい生き物です。
誰しも、1年の抱負をバレンタインの時期には覚えていないように、
課題は設定しただけだと忘れていきます。

ですので、課題は紙に書いて、忘れない様にすることが大切です。
自分で課題を決めて、それに向かって努力する。
課題をクリアしたら、次の課題を設定する。
ここをサポートすることが、「コーチング」の役割です。

具体的な夢の叶え方を「神メンタル」を参考に解説7つの習慣の1つである、第7の習慣「刃を研ぐ」の実践例を「神メンタル」を参考に解説しています。...

「目的」「目標」「課題」を理解する

「目的」

目指すべきゴール、なりたい理想の自分、これが「目的」です。

「目標」

目指すべき「目的」に達するために、クリアすべきこと。
「目的」に至るまでの中間達成地点が「目標」です。

「課題」

自分が考える「目標」までに存在する乗り越えるべき障害、
それが「課題」です。

いくつか例を出しておきましょう。

お金を増やして、自由な生活を夢見る人の場合
「目的」資産を一億円にする
「目標」株式投資を月5万円で20年続ける
「課題」収入を月1万増やし、支出を月2万円減らす

いつまでも元気で楽しい人生を送りたい
「目的」健康な身体を手に入れる
「目標」毎朝、ストレッチとジョギングを行う
「課題」早寝、早起きのリズムを作り5時に起きる

このように、どんどんと細かく具体的になります。
漠然とした夢のために、何をすべきなのかが分かり、
小さなことから始められるようになります。

小さな課題をクリアし続けると、変化が訪れます。
その先の「目標」や「目的」もさらに具体的になります。
特に「目標」はどんどんと変わるべきです。
それこそが、成長の証となります。

自己解決能力を育てる

コーチングを行う中で、たくさんの質問を投げかけます。
その目的は、自分で問題を見つけて、解決できるように、
成長させるためです。

そして特に大事なポイントは、自分で変えられることに注力させることです。

ピッチャーがヒットを打たれる、営業がセールスを断られるというのは、
必ず起こることです。
そして起こったことは変えられません。
「ヒットを打たれないようにする」
「セールスを断られないようにする」
これは課題設定として間違っていますよね。

起きてしまったことに対して、次に何ができるのか?
自分で変えられることは何なのか?
それを考えて、「課題」として設定することが大切です。

これから変えられる「影響の輪」の中にあるのが「課題」であり、
起こってしまった過去が「関心の輪」の中にあります。
「関心の輪」は変えられないので、「影響の輪」に注力するようにしましょう。

【7つの習慣】第1の習慣「主体的である」を解説7つの習慣の1つである、第1の習慣「主体的である」の達成に向けた方法と実践例を7つの習慣を参考に解説...

最高の結果を出す9つのルール

「最高のコーチは、教えない」では、
「吉井理人」氏の経験と学びから、9つのルールが紹介されています。

ここでは、特にスポーツ以外にも通じる点の多い、
4つのポイントに焦点を絞って解説します。

1.感情をコントロールする

プレイヤー(部下) vs. コーチ(上司)を考えると、否が応でも、
コーチが立場としては上になります。
そんな関係性で、威圧的な表情を向けられたり、
怒りをぶつけられたら、プレイヤーは萎縮します。

どれだけ成長を願っていたとしても、伝え方が間違っていると、
決して言葉を理解しようとしません。
まさに「聞く耳を持たない」という状況です。

コーチは主役でなくて、プレイヤーこそが主体です。
自分のコーチングの正しさを証明するのでなく、
プレイヤーが自分で考えられるよう、
長い目をもって成長させることに注力しましょう。

2.高い意識を持たせる

自分が憧れる存在や、こうなりたい人をイメージさせて、
自らの行動をイメージと一致させる。
これによって、だんだんと振るまいが理想に近づいてくる。
「最高のコーチは、教えない」ではいわゆる憧れの選手でしたが、
ビジネスにおいても、似たような理想像はありますよね。

合わせて、いわゆるプロ意識も持たせていきます。
チーム、組織、はあくまでも個人の集合体であることを、
きちんと理解させましょう。
会社のため!組織のため!という自己犠牲マインドでは無く、
自分が強みを発揮することで、組織、会社の総合力が高まるということを伝えましょう。

いわゆる社畜的な考え方とは全く異なります!
ルール中で個性を伸ばすからこそ、チームに色々な強みがでてくる、
この仕組みを認識させ、理解させましょう。

コーチとしては、没個性になるような、画一的な考え方、
統一された手法だけを伝えないように、気をつけましょう。

3.上からの指示を意訳する

コーチは社長や監督ではなく、中間管理職の位置づけです。
会社においても、上司にも上司がいます。
そのため、経営トップ層からの命令や判断を、
部下に伝えるのも仕事の1つです。

正確に伝えようとして、一語一句そのまま伝えると、
プレイヤーのやる気がなくなったり、混乱を招く恐れもあります。

少しの勇気を持って、自分の判断を加えた上で、
双方に伝えることが良いでしょう。

具体例を出しておきましょう。
顧客開拓を目指した新規企画として、2つのプランがある状況を考えます。
上層部からは、「現場の判断で決めて欲しい」と言われています。

この場合、自分で良いと思う方を選んだ上で、
「上層部がプランAでいくと言っている、責任は上がとるから思い切っていけ」
と部下には伝えましょう。

「現場からは、アンケートや既存顧客の反応から、プランAの方が良い。
「Aを押す方向で進めたい」、と言っているので承認した」
このように上層部には伝えましょう。

この意訳と調整がまさにコーチの重要な仕事です。
単に伝言ゲームを仲介するだけだと、チームとしての成果には繋がりません。

4. 人格者を育てる

上司やコーチの指導の目的として、仕事ができるようにする、
成長する人材に育てるということがあります。

しかし、
「自分のパフォーマンスだけを追求する。」
「自分の売り上げと給料を上げることだけを目指す。」
このような人材になってしまうと、その周りや、
さらに新しく来る若手や新人に、悪い影響を与えます。

業界全体が盛り上がることが、自分の新しい活躍の場を広げる。
自分が個性を出し、チームを魅力的にすることが、
売り上げや業績に繋がる。
このような考え方を教える必要があります。

仕事は一流で知識も実績もある。
それを基盤としてその上に、
社会的に尊敬されるような人格を兼ね備えた人材。
これを育てることが、大切です。
仕事も一流、人格も一流、2つのゴールを目指させることで、
次世代のコーチ候補としても期待できる人が育ちます!

まとめ

「最高のコーチは、教えない」は部下や若手の成長をうながすための、
コーチング技術について分かりやすく解説してありました。

人を指導することは、「教える」ことが仕事だと思いがちだけど、
まずそこが大きな間違いである、ということを覚えておきましょう。

自分の頭で考えさせるような質問を繰り返して、
コミュニケーションを取りながら、
長期目線の成長につながるコーチングを実践しましょう。

コーチングで教えてはいけない理由

・自分と相手は経験、考え方、全てが違う別の生き物だから
過去の成功体験を押しつけることは絶対に止めましょう!

・主役はコーチではないから
コーチの考えを実行する人を育てるので無く、
自分で考えられる人材を育てるのが、コーチングの目的です。

コーチングの基本は2つ

「指導行動」と「育成行動」です。
「指導行動」では、具体的な技術スキルや知識を指導しましょう。
「育成行動」では、成長につながる、
「目的」「目標」「課題」の設定の仕方をサポートしましょう。

成長段階に合わせて、この2つのバランスを変えながら、
状況に応じたコーチングをしていきましょう。

コーチングの実践

「観察」「質問」「代行」によって、
相手のことを知り、相手に話をさせて、
相手の立場で考えましょう。

成長のための振り返りを手伝うことが大切です。
良かった点、良くなかった点、次までに改善出来ることは?
丁寧に聞いてあげながら、自分を客観視する能力を育てましょう。
そして、良い点はとにかく褒めてあげましょう。

「目的」「目標」「課題」の違いを理解させて、
夢にたどり着くための中間達成地点を設定し、
そのための、障害を取り除く作業を、自分1人で出来るように育てましょう!

今回紹介した「最高のコーチは、教えない」には、
より詳細なコーチングの理論や実践が紹介されています。
また、著者「吉井理人」氏の実体験や様々なエピソードも楽しめます。
興味を持った方は、ぜひ一度、本書を手に取ってみてくれると嬉しいです。

今回の記事は以上です。

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わーち: わーち流7つの習慣のススメの管理人 「7つの習慣」を学び、「7つの習慣」を身につけるための挑戦を開始しました。習慣化に必要な考え方、知識、スキル、を身につけるため、そして自らの学びを発信するため、「わーち流7つの習慣のススメ」を立ち上げました! 本の読み方、勉強の仕方、自己成長、時間管理、など、様々な学びについて、みなさんの役に立つ「有益な情報」をお届けすることを目指します! 「7つの習慣」を身につけて継続するために、徹底的なタイムマネジメントをして、これまで以上の仕事の成果を出しながら、毎日30分、集中してブログ活動を続けています! 将来は、みなさんの私的成功と公的成功をお手伝いをする仕事をしたいので、そのために毎日勉強と発信を続けていきます! どうぞよろしくお願いします!