こんな悩みを解決! 「お金っていったい何なの?」
「老後のためにお金を貯めれば良いんだよね?」
「お金があれば問題って解決できるよね?」
「お金の奴隷になりたくない!」
「お金っていったい何なの?」
「老後のためにお金を貯めれば良いんだよね?」
「お金があれば問題って解決できるよね?」
「お金の奴隷になりたくない!」
将来や老後のため、もしくは今の仕事を辞めるために、
新NISAを活用して投資を行う人が増えています。
私も株式市場に資本を投じると、リスクに対するリターン、
「リスクプレミアム」が得られる、ということを理解しました。
一方で、「お金を働かせる」という表現の先に、
投じたお金を使って、働いてくれている人がいるから、
最終的なリターンが生まれることも分かってきました。
そして、「お金っていったい何なんだろう?」という、
素朴な疑問が浮かんできました。
そんなときに書店で出会ったのが、「きみのお金はだれのため」です。
この本は、一言で言うと、お金というモノの本当の意味や、
お金に対する間違った認識を教えてくれる本です。
「きみのお金はだれのため」には多くのまとめ動画が存在します。
動画を見て、概要を理解するだけでも十分に楽しめると思います。
けれど、実際に本を読んでみたら、その認識が変わりました。
大富豪のボス、中学生の優斗、投資銀行で働く七海のやりとりを通じて、
少しずつお金や社会に対する理解を深めるところに、
「きみのお金はだれのため」の面白さがあると感じました。
ボスが優斗と七海を試すように謎かけをして、
徐々に雲が晴れ、謎が解けていく快感を体験して貰いたいです。
この記事では、そんな「きみのお金はだれのため」で紹介される、
3つのお金の謎について、かいつまんで説明します。
どこから読んでも理解できると思うので、気になった箇所から読んでみてください。
この記事を読んで、「きみのお金はだれのため」に少しでも興味を持った人は、
是非本書を手に取って貰えるとうれしいです。
「社会も愛も知らない子どもたち」
本書の冒頭は、主人公の2人が、大富豪(ボス)に出会うシーンから始まります。
そこで2人は3つの真実を教えられます。
・お金自体には価値がない
・お金で解決できる問題はない
・みんなでお金を貯めても意味がない
普段の感覚とは真逆のことを伝えられた2人が、
ボスとのやりとりを通じて、その謎を理解してく形で、
ストーリーが展開していきます。
この謎を解明することができたら、
2人はお金の奴隷から解放されるのです。
それでは本編に移りましょう。
1. お金自体には価値がない
普段、私たちが使うお金には価値があると思いますよね。
しかし、それは価値があると信じ込んでいるだけなのです。
わかりやすい例が赤ちゃんにとってのお金です。
赤ちゃんはミルクは欲しがっても、一万円札は欲しがりませんよね?
では、どうして人は、お金に価値があると思い込むようになったのでしょうか?
答えは「税金」です。
国が国民に対して、税金としてお金を納めるように求めたのです。
日本銀行が発行した紙幣を使って、税金を納めないといけない。
こうすることで、国民はお金を稼ぐ必要が生まれたのです。
そして、お金には価値がある、貴重なモノだ、と信じ込むようになったのです。
簡単に仕組みを説明します。
日本銀行が100万円を発行して、政府が100万円を借ります。
そして、国のために仕事をした人に給与を支払います。
これがいわゆる公務員のような人々です。
そして給与を受け取った中から、一定の金額を国に納めるのです。
国は納められた税金を、政府や国のために働いた人に、
再び支払うことで、お金は循環していくのです。
また、国から貰ったお金を使って、カツ丼を食べることもできます。
そして、カツ丼屋はカツ丼代として受け取ったお金で、
国に税金を納めることができるのです。
このようにお金を介して、モノやサービスが買えるようになり、
税金を納められる仕組みになっているのです。
その結果、人々はお金に価値を感じるようになったのです。
お金を介して人々がお互いのために働く社会になった。
そのためのツールがお金だったのです。
しかし、全体でみたらどうでしょうか?
日本銀行が100万円を発行したことで、何か価値は生まれましたか?
100万円によって生活は豊かになったでしょうか?
全くなっていませんよね。
これが、「お金自体には価値がない」ということの答えです。
個人にとっては、モノ、サービスを買うことができ、
税金を納めることができるので、価値があるように感じます。
一方で、国全体で見るとお金には価値はないのです。
お金によってお互いのために働く仕組みが生まれる。
この点がお金がもたらす恩恵なのです。
2.お金で解決できる問題はない
第一の謎、「お金自体には価値がない」ことは理解できました。
次の謎は「お金で解決できる問題はない」です。
この謎は少し補足説明が必要です。
よく世の中で言われる
「お金だけじゃ全ての問題は解決できない」
「お金がたくさんあっても限界がある」
という意味ではありません。
本当に、
「お金では何一つ問題を解決することはできない」
という意味での謎かけです。
さて、少しずつ考えてみましょう。
お金を支払うと食べたいものが食べられて、
電車やバスに乗って行きたい場所に行くことができます。
これは、お金で問題が解決しているように感じますよね?
1,000円払えばラーメンが食べられます。
お腹が減ったという問題が解決しているように見えます。
自分の視点だけだと、お金が問題を解決したように感じます。
しかし、視点を広げると、違う世界が見えてきます。
ラーメン屋さんは1,000円を受け取り、ラーメンを作ります。
つまりお金を受け取った人が働くことで、1つ問題が解決したのです。
さらに視点を広げていきましょう。
ラーメン屋さんは1,000円の一部を、製麺所、肉屋、八百屋に渡して、
麺、肉、野菜など、ラーメンに必要な材料を買っています。
ここでもお金を払うことで、問題が解決しているようにみえますね。
しかし、実際はその先で働いている人がいるのです。
麺は小麦、肉は家畜、野菜は畑にたどり着き、
そこで働いている人がお金を受け取って、生み出しているのです。
究極的には、地球の資源を、誰かが使えるようにするところが出発点です。
お金は人から人に手渡され、その先では受け取った人が仕事をしているのです。
つまり、お金ではなくて、お金を受け取って働く人が、
それぞれの問題を解決していたのです。
お金に力があるとしたならば、たくさんの選択肢があるときに、
その中から選ぶ力です。
いくつかのラーメン屋があるときに、どのお店に入るのか?
どの肉屋から肉を仕入れるか?
働いてくれる人がいる場合に、誰にお願いするかを選べるようになります。
逆に言うと、働いてくれる人がいなければ、選べなくなり、
お金は無力になります。
ラーメンを作る人がいなければ、いくらお金があってもラーメンは食べられません。
100万円払うなら誰かがラーメンを作ってくれる!
だからお金で問題が解決するんだ!
という反論があるかもしれません。
でも、想像してみてください。
30年前にスマートフォンやタブレットは買えましたか?
1兆円払っても買えませんでした。
存在しない、つまり選べないモノは買えないのです。
「お金で解決できる問題はない」
この謎も解決できましたね。
3.みんなでお金を貯めても意味がない
それでは最後の謎について考えていきましょう。
日本は先進国の中で、最も少子高齢化が進んでいます。
そのため、年金制度を維持することができなくなる未来が予想されています。
年金制度が破綻するわけではないけれど、年金の支給開始が遅くなり、
支給額が少しずつ減っていくのです。
そのために、個人でお金を貯めて年金が減る分に備えよう!
となっているのですが、本質的な解決にはならないというのです。
2つの謎を理解したので、もうこの意味は分かりそうですね。
若年人口が減り、生産力を失った国では、お金がいくらあっても、
お金を受け取って働いてくれる人が足りないのです。
この状況で、たくさんお金を持っていても意味がありません。
少子化を抑制することや、生産性を上げることこそが、
本質的な解決になるのです。
日本国内だけ考えても、全世界を考えても、
お金の流通量には上限があります。
みんなで貯金をするということは、
一定のお金を1人1人が奪い合っていることを意味します。
生産能力の無くなった国でお金の奪い合いをする、
どれほど無意味なことであるか、感じられますね。
無人島にお金を持って行く人はいない!
この状況を想像すれば、簡単にイメージできますね。
お金では無くて、無人島に生産能力があれば、
船を作り、釣り竿を作り、漁をおこなうことができます。
お金と生産能力、どちらが役に立ちますか?
お金には力が無いんです。
もちろん、現実にはお金がまったく無ければ生活できないので、
今の暮らしを続けるための、貯金はするべきです。
大切なポイントは、お金を貯め込むことだけを考えても意味が無いということです。
日本国内に流通するお金には限りがあります。
自分がお金を貯めるとき、給料から貯金しますよね。
その、お金は会社のお金の一部でした。
そしてその前は、会社の商品やサービスを買った人たちの、
お財布の中にあったお金です。
もちろん、そのお金もきっとどこかの会社から支払われたものでしょう。
お金には限りがあります。
自分のお金が増えるときは、必ず誰かのお金が減っているのです。
減り続ける人口の間で、お金を奪い合っても意味はありません。
より良い未来を作るために働く。
より生産性が高い仕事ができるようにする。
こういった意識と行動を取る方が、お金を貯めることより、
はるかに重要なのです。
その他の章
「きみのお金はだれのため」には3つのお金以外にも、
お金、社会や経済に関する情報がまとめられています。
是非手に取って読んで貰いたいので、ここには概要だけまとめます。
格差の謎
・金銭的な格差と生活の豊かさの格差は異なる
大富豪も一般人も社会インフラを利用し、スマホでSNSを眺めている。警察が治安維持をしてくれて、怪我をすれば病院で治療を受けられます。格差が広がっている側面が強調されるけれど、フランス革命の頃の格差とは本質的に異なる。
・格差のない豊かな生活を提供する人々が巡り巡ってお金持ちになる
Amazon, Apple, Googleなど、私たちが日々使っている、誰でも利用できるサービスを誰でも使える価格で提供した会社を作った人が、結果的に超の付く大富豪になったのです。彼らが一般人からお金を搾取したわけではありません。
・私たちの消費と投資の流れによって未来が選ばれる
ほとんどのモノをネットで買うようになり、小売店は廃業においこまれています。ハイテク産業に投資をすることで、その他の業種は衰退していきます。社会が悪いのではなくて、私たちの日々の選択や行動の積み重ねが、未来を形作るのです。
・現代における税金は搾取では無くてお金を再分配する制度
国民から集めた税金を使って、政府は社会基盤を整えています。道路や公園、図書館、さらには保育園や小学校なども該当します。生活保護や子ども手当、医療費補助などもそうです。国民が稼いだお金の一部を集めて、より平等に、より豊かに過ごせる人が、1人でも増えるようにすることが政府の役目です。
・政府が何に再分配するかは国民の投票によって決まる
税金を集めた政府が間違ったお金の使い方をすると、国民の生活はどんどん苦しくなっていきます。お金の無駄遣い、労働の無駄遣いが生まれるのです。必要な場所にお金と労働力が行き渡ってないと感じたら、投票によって意見を表明しないといけません。
社会の謎
・預金残高が増えているのは誰かが借金をしているだけ
日本国内の預金残高は年々増えています。これは、政府が借金をしてお金を使い、国民に対して支払っているからです。お金は勝手に増えたり減ったりしません。預金残高は政府の借金によって増えているのです。
・未来には贈与しかできない
少子高齢化が進む日本で、今の高齢者世代が借金をしたせいで、今の現役世代がそのツケを支払わないといけない。このような主張を耳にすることがあると思います。しかし、未来の人に借金をすることはできないのです。高齢者世代はお金を受け取った分、きちんと仕事をして社会インフラを構築してきました。そして、そのお金は親から子どもへと相続されるのです。私たちはツケを払っているのではなくて、贈与を受け取って生活しているのです。
まとめ
・お金自体には価値がない
税金の導入によって、お金(貨幣)が必要になりました。
そして、政府が集めた税金を使うことで、国中にお金が循環し始めます。
1人1人の目線で見たらお金には価値があるけれど、
国全体としてみたらお金そのものには価値がありません。
発行されたお金の価値を信じて、人々がお互いのために働けるようになります。
・お金で解決できる問題はない
お金が解決している問題は何一つありません。
問題を解決しているのは、お金を受け取った人たちです。
お金が商品に変わるのでは無く、地球の資源と数多くの労働が結びついた結果、
私たちの手元に商品が届きます。
お金が力を発揮するのは、働いてくれる人がたくさんいるときに、
誰にお願いするかを選ぶときだけです。
・みんなでお金を貯めても意味がない
お金の流通量は日本中、世界中で一定になっています。
お金を貯めるということは、誰かのお金を奪っていることになります。
蓄えるべきはお金でなく、社会基盤や生産設備、技術などです。
将来に不安を感じるならば、お金ではなくて、
少子化を食い止め、生産効率を上げる努力をすべきです。
「きみのお金は誰のため」にはここでは紹介していない内容はもちろん、
私たちのお金に対する疑問、社会に対する不満など、
いろいろな謎を解決してくれる本です。
ぜひ、一度手に取って貰えるとうれしいです。
「きみのお金は誰のため」
田内 学
今回の記事は以上です。
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